アフターデジタル オフラインのない時代に生き残る 其の弐

こんにちは、ヘッタ・チャンです。

前回紹介した「アフターデジタル オフラインのない時代に生き残る」の続きです。

今回は、企業がアフターデジタルになるために考え方をどう変えなくてはならないか
また、その結果がどういった形で私たちの利便性が増すか

そういった部分を紹介します。

今までの考え方をすべて捨て一からデジタルで今のビジネスを考える必要があるという点は、本書を読むと強い説得力を持っていました。

また西洋と中国では、データに対する考え方が、全く逆で
すべてのデータを基本個人の所有とする西洋型か、企業または国家で所有し管理する中国型
21世紀的人権的視点では西洋型であるべきですが、企業の成長、社会の安定に関しては中国的スタイルのほうが、実績を上げている点など理想と現実の乖離に頭を悩ますこともしばしばです。

他投資でいうと今年の株価を動かしたアプリの一つに「ドラクエウォーク」があげられますが、アプリの改善の速さやゲームスタイルは本書を参考にしたのではないかと思うことがあり、日本企業でも、アフターデジタルにうまく移行している企業もいることを感じました。

なお私はドラクエウォークをがっつりやっているのに、もろもろの関連銘柄の上げに乗れなかった残念な投資家であることを付け加えておきます。

 

以下抜粋

店舗は物理的制限からスタートしているため、それをデジタル側に持っていこうとすると、物理的制約をデジタル側に持ち込むことになります。
しかし本来デジタルは理想行動を作れるはずなので、デジタルを起点に考えるとより自由な発想ができます。

自分が正直に支払い、良い行いをコツコツ行えば、無駄な証明をしなくても自分が信頼できる人間だと理解してもらえる。近未来的なことが、「デジタル体験側に軸足を置いて思考する」という共通概念を持った人々によって既に生み出されています。

 

OMO型のビジネス発想はRPGゲームに非常によく似ています。
OMO型で成功しているビジネスの多くに存在する共通点として「ゲーム的にインセンティブ獲得が設計されている」という点が挙げられます。私(藤井)はRPGゲームの「ドラゴンクエスト」が大好きで、いつも思っていたことがあります。
「スライムを倒した時の経験値が分かったり、あといくつでレベル上がるか分かったり、毒の沼地を歩くと歩数に応じて一律にダメージを受けたり、ゲームって全部可視化されていて楽な世界だな…」と。

 個人主義の欧州では、個人データとプライバシーの保護は基本的人権の1つとして考えられ、欧州連合(EU)の基本権憲章でも保障されています。
2018年5月には、個人データを扱う事業者を対象にした「GDPR」(EU一般データ保護規則)の施行が始まったばかりです。

 

一方で、中央主権の中国では、
「国民はデータを提供し、国が一括管理をして国民のために使う」という考え方が当たり前になっています。実際14億人もの国民がいて、その全員が個人データを提供すれば膨大なデータがたまってAI技術の向上につながっていきます。
「データを提供することで、より良い生活、よい国にしていこう」という考え方が根付いているのです。

 

中国では土地は国有財産であり、国民に対して国から貸し出されるものと捉えられています。いまでは土地よりも、データが富や利潤を生む時代になったので、データも土地と同じように「市民が国に預けることで、国は効率よく活用して国民の利益を生み、国全体が豊かになる」という考え方はまったく不自然ではなかったのでしょう。

 

ソーシャルの時代は、人に教えたくなるような圧倒的な体験が“貨幣”になります。圧倒的な体験はほうっておいてもソーシャル上で流通し、流通している切り取られた情報に刺激された人は現地に出向き、現地で360度全方位、五感を刺激される体験ができればそれをソーシャルに投稿し、その投稿でさらにリアルへの訪問者が増えるというサイクルが起きます。

 

決済という作業は、商品を売る側と購入する人が仕方なくやらなければいけない行為で、もしこれを短縮したり不可視化できたりすれば、買い物という行為は本来の人間対人間のコミュニケーションや物語の交換に戻って、売りたい人と買いたい人の意識が一瞬でつながることができる」と話しています。

 

カーンが提案しているのは、生徒はまず自宅でユーチューブの授業を聞いて予習をして、学校では授業で分からなかった箇所を生徒同士で教え合ったり、教師に質問したりするという方法です。このほうがずっと効果的との指摘もあり、学校での学びも変わりつつあります。

 

ホスピタリティを徹底することで経済合理性が成り立つという従来奇跡のように見られていた事例が、中国平安保険のように、テクノロジーによって実現しやすくなっている と捉えることが重要

 

変革がうまく進んでいる企業は、会社全体に大号令をかけるのではなく、 社長以下、特定の役員・部長・現場が「変革ライン」として1本でつながっています。同じセミナーを全員で受けたり、重要メンバーでデジタル先進国への視察を行ったりして、変革ラインのメンバーで同じイメージを共有します。この目線合わせは非常に重要です。

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アフターデジタル オフラインのない時代に生き残る

こんにちは、ヘッタ・チャンです。

日本の成長率が諸外国に比べて低いのは、仕事の効率が悪い=生産性が低いとよく言われますが。それがさらに加速していきそうだなと暗澹たる気持ちになった本があったので、こちらでもシェアしてみます。

その一冊とは「アフターデジタル オフラインのない時代に生き残る」です。
業界団体の圧力で印鑑すら公的関係で必要になる日本、一方共産主義と資本主義のいいとこどりで、世界を席巻しつつある(一部では席巻済み)の中国。

本書では、デジタル革命のその先に、人間の行動すら変えてしまうデータの蓄積とその活用方法がいくつも紹介されています。

日本のビジネスパーソンは「デジタルが完全に浸透した世界をイメージできていない」

とは本書の言葉ですが、私自身、全くイメージできていないことを痛感させられました。

タクシー配車アプリのDidiが中国から日本に上陸していますが、広告戦略や使いやすさなど日本発のアプリとは一線を画すのは、使ってみて明らかでした。

「三方よし」をビジネスで実践するのが、アフターデジタルという点で大いに参考になりました。
株式投資先を考える中で、本書のような考え方ができる企業を選ぶべきなのは言うまでもありません。

これからくるサービスの在り方、考え方がよくわかるオススメの一冊です。

以下抜粋

日本のビジネスパーソンは「デジタルが完全に浸透した世界をイメージできていない」

 

「次々とデータが生み出される」という状況が一番重要なポイントで、このようなデータを基にサービスが生み出されると考えるのではなく、社会基盤そのものが再構築され、ビジネスモデルもルールも抜本的に変わっていくと捉える必要があります。
つまり、「デジタルによる社会システムのアップデート」 が起きるのです。それは、 単体事例の先進性を見ていては分からないこと

 

中国では、モバイク買収のようにリアルを活用したオンラインサービスが発展したのですが、その背景には、オンライン上での顧客獲得単価が上がり過ぎてしまい、リアルの顧客データのほうが高効率になった、という事情があります。
実店舗や路上を活用したサービスを提供したほうがデータを集めやすい、というわけです。

 

(タクシー配車サービスで)最も満足度を高めるのは「安心して素早く目的地に行けること」です。
そこに直接的に関わるポイントのみデータを取得し、評価に反映させる仕組み を作っているのです。
ドライバーは「何をすれば点数が上がるか」が分かっているので、その評価スコアを高めるためにコツコツ善行を積むというわけです。

 

ディディがすごいのは、良くも悪くも徹底的に性悪説で、放っておいたら何をするか分からないので、「人は実利主義である」という認識の下、マナーの向上やサービス品質を一つひとつデータにとって可視化し、ドライバーに課題を課す仕組みを作って解決したこと

 

従業員からすれば、何をどう努力すれば評価されて昇進できるかが明確だとモチベーションは上がるものです。
データを活用した仕事の評価システムの導入で従業員が変わり、その広がりで社会全体が変わって民度が上がるという現象が起きています。
それが、今の中国の現状

 

ディディが構築したような評価システムを使ったサービスは、活用示唆にあふれています。
ユーザー側とビジネス側、双方の異なるインセンティブの体系を見極め、それらのデータを活用して厳密に評価することで、三方良しを実現しています。このようなシステムから日本企業は大いに学ぶべきでしょう。
中国の若い先進企業とこうしたアイデアを話すとき、いつも「それは、買い手と売り手にとってどんなメリットがあるの?」 という質問が出てきます。実利主義だからこそ、インセンティブ設計をしっかり行い、Win-Winの関係を作ろうとする

 

「なぜ企業側がそこまでデータを収集しなくてはいけないかというと、これからのビジネスはデータをできる限り集め、 そのデータをフル活用し、プロダクトとUX(顧客体験、ユーザーエクスペリエンス)をいかに高速で改善できるかどうかが競争原理になるから

 

アフターデジタル移行後の中国は、日本よりも「もっと社会を便利にしよう」「価値や利便性、インセンティブを相手に与えよう」と考え抜かれている ように思います。
O2Oとは「チャネルをつなげて送客する」という企業視点の考え方でしたが、OMOは「顧客から見たら融合しているほうが便利」という顧客視点の考え方です。そこが本質的に異なっています。

 

アリババは、中国国民の約半分にあたるユーザー数のオンライン購買データを所持しています。子会社が提供するアリペイも含めると、オフラインの購買データも国民の半分程度を所持しています。さらに、アリババの投資先や経済圏からのユーザーの消費行動や移動データを含めると、「どの土地にどのような人たちが住んでいて、どのような生活をしているか」を明らかにできてしまうほどの膨大なデータを持っていると言えるのです。まずはこのことを頭に入れておく必要があります。

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