日本再興戦略 紹介其の弐

こんにちは、ヘッタ・チャンです。

前回投資に関する部分を紹介した「日本再興戦略」。

今回は、今の日本の問題点、今後どうあるかを落合氏が述べた部分で共感できた部分を紹介してみたいと思います。
江戸時代の日本は士農工商と商が一番低くみられていたわけですが、これが良かったという点に私は大いに納得しました。

以下抜粋

結局、日本人は、外来的に入ってきたものをすべて「欧米」と呼んで、いろんな分野で各国の方式を組み合わせてきました。そして、いいとこ取りをしたつもりが、時代の変化によって悪いとこ取りになっているケースが目立ってきています。仕方がないのです。時代が変わったのですから、いいとこ取りの旧い最適化モデルを変化させないといけない。

これからの本質的な問題は、「我々はコミュニティをどう変えたら、次の産業革命を乗り越えられるか」ということなのに、「どの職業が食いっぱぐれるのか」という議論ばかりをしているのです。そうした「AI脅威論」は、西洋の個人主義の文脈において出てくるものですから、本来の日本人 がそうした問いに振り回される必要はありません。

欧州や米国は、人間個人の権利を最大化しようとしたあげく、結局、「部分と全体の間」を修復できなくなってきてしまいました。個人に平等に権利を与えて、全員が良識ある判断をすると仮定して、一人一票を与えたものの、選挙をしてみたら、全員にとって価値のある判断にはなりませんでした。集団の中で個人はそんなに正しく判断できないのです。ポリティカルコレクトネスのひずみやポピュリズムの台頭は西洋個人主義の限界点を示しているようです。

根本的には、教育制度から変えないと、今の流れは変えられません。今の近代社会を成り立たせる全ての公教育とはほぼ洗脳に近いものですが、我々は中途半端に個人、自由、平等、人権といった西洋的な理念を押し付けられた結果、個人のビジョンがぼやけてしまいました。今の教育は、「やりがいややりたいことがない」という自己否定意識を持った歪んだ人間を生み出してしまいます。要は、欲しいものをちゃんと選ぶとか、自発的に何か行動するということを練習しないし、それをガマンするように指導するのに、好きなものを見つけることが重要だと言い続けるのは大きな自己矛盾を生み出しうる欠陥であり、自己選択に意味がなく、不安感が募る社会にしてしまっているのです。

僕がここで士農工商のモデルを支持するのは、日本人の幸福論を定義しやすくなると思うからです。我々は、幸福論を定義するときに、つい物質的価値を求めてしまいますが、実は、生業が保証されることこそが幸福につながります。「その生き方は将来にもあるだろう」という前提で未来を安心して考えられると生きやすくなるのです。  生きるに業と書いて、「なりわい」と読みますが、生業が保証されて、それに打ち込めるだけで、人生のビジョンがほとんど決まります。それは、いつまで経っても自分探しをして、迷い続ける人が多い社会よりもよっぽど幸福ではないでしょうか。

欧州では、アーティストや博士はとても尊敬されています。それは社会に価値を生み出しているからです。アーティストというのは、人類が今まで蓄積してきた美の最大到達点をさらに更新しようとしている人たちです。博士というのは、人類がそれまで蓄積してきた知の領域をほんの少しだけ外に広げる人たちです。だからこそ、社会的価値がとても高いのですが、日本ではそうした認識がありません。

抜粋ここまで
今の日本の問題点は、1900年代に輸入した継ぎ接ぎの「欧米」的価値観や制度が、そぐわなくなっているにもかかわらず、使い続けている点と著者はしてきます。
欧州と米国は、統治制度や民族性、商習慣など大きく違うのに(欧州はそれこそ各国によってさらに差異があります)、その理由さえ考えずに導入してしまった結果が、様々な形で日本の問題として現れてきています。

個々人の尊厳をもっとも守るべきものとするキリスト教的発想から、集団全体の調和を優先する東洋思想に立ち返るべきという著者の指摘には頷く点も多く
特に、商、いわゆる金融に有為な人材が集まってしまう今の風潮を残念に思っています。

私自身も15年近く金融業に身を置いてみて、多数の優秀な方々にお会いしましたが、彼らがお金を増やすということ(または減らさない)、制度の裏をかくことにその頭脳を使わず、世界をよくするために、その才能を使ったら、どれだけよりよい世界ができたのかと思うことがあります。

世界的に、優秀な人材がマネーゲームに身を投じがち(社会的にも物質的にも精神的にも満たされてしまうから)ですが、「日本再興戦略」の思想が拡がって、著者自身が行っているようにマネーゲームをしつつも、社会にも貢献できるような人材が増えていったらと思わずにはいられませんでした。

上記に書いたように、著者自身は、大学の教授をしながら起業し、コンサルタント的な仕事もこなし、自身の発想発案を実行しており、今後注目していきたい方でした。

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