イベントドリブントレード入門 価格変動の要因分析から導く出口戦略

こんにちは、ヘッタ・チャンです。

先日のブログ「投資本を読んで、著者を追うこと」でも紹介した、私が追い続けている投資家羽根氏が新たに投資本として「イベントドリブントレード入門 価格変動の要因分析から導く出口戦略 」を書いたというのでさっそく読んでみました。

イベント投資は語りつくされたという向きもありますが、これを読むとまだまだお宝の種はそこかしらにあるようです。
著者は、専業投資家ではなく、「兼業投資家で、毎年確実に利益を積み上げていく」という理想のスタイルを達成しています。

昨年の下げで痛みが多かった兼業投資家の方はぜひ読んでみてください。安定して収益をとる考えと手法、両方が本書には載っています。

学術論文を読み解き、企業情報を探すため、地方の古本屋で〇〇を探し、立会外分売の戦略を組み立て、過去のIPOを分析した結果〇〇な銘柄が利益になることを突き止めるなど、投資家として読むと興奮が止まらない一冊です。

オススメすぎる一冊です。

以下、私のメモ(長くなったので本日は前半部分から)

イベントドリブンは、これらのファンダメンタルズとテクニカル、どちらにも属しません。イベントドリブンでは主に「需給」をみています。需要と供給のバランスが崩れたときに利益を上げるチャンスがあります。例えば「必ず買わなければならない。売らなければならない」、こんな状態の投資家がいれば、当然需給は崩れます。

インデックスファンドは指数に連動させるために、どれだけ高くなっても買わなければならないし、どれだけ安くなっても売らなくてはならない事態が普通にあるということ

立会外分売で株を放出する側の事情として、売出しよりも立会外分売の方が、手続きが簡便(有価証券届出書が不要)なため、時間や手間がかかりません。
このため、比較的、実施頻度が高いと考えられます。また投資家側にとって公募増資や売出しは、値決めから受け渡し日(この日から売却可能)まで1週間以上空きます。そのために、この間の相場変動リスクを受けてしまいます。
しかし立会外分売の場合は、値決め日翌日に売却することができます。また、公募増資や売出しでは、応募申し込みの締め切りが値決め日の数日前になりますが、立会外分売では、分売当日の寄付き前、午前8時頃に設定している証券会社が多いのです。
これは前日の欧米市場や夜間の為替市場が終了している状態であるため、例えば欧米市場が暴落していれば、立会外分売の申し込みを見送ることができます。投資家側からは変動リスクが少ない上に資金効率が良いということになります。

立会外分売に応募する場合、まずは分売される銘柄が貸借銘柄か否かを確認します。これが貸借銘柄なら応募して当選を待ちます。
また分売が、東証二部銘柄であれば、値上がりする期待値が高い銘柄になりそうです。勝率を優先するならば、東証一部銘柄も良いかもしれません。
いかがでしたでしょうか。私たちトレーダーにとって有利な立会外分売と、そうでない立会外分売の違いがデータを分析することで明らかになったと思います。

特別配当付きTOB
2017年実施されたカルソニックカンセイ(7148)のMBO は、少し変わったスキームで行われました。
TOB価格は、1,860円ですが、570円を特別配当として実施し、実際の買い取り価格は1,860円から配当分を引いた1,290円とする、というものです。
どうやらカルソニックカンセイの大株主に税法上のメリットがあるスキームにしたようです。
我々投資家側から見た場合、配当と買取り価格の合計で同じならば良いのではないかと思ってしまうのですが、少々問題があります。というのは、特別配当のうち、資本を取り崩して行われる「みなし配当」分は、税金が源泉徴収されてしまうからです。そしてそのことが、TOB発表後の株価に影響を与えたようです。

先日海外の機関投資家の優待を預かっていた信託銀行の行員が、横流しをして金券ショップで換金していたという事件がありました。優待の品は破棄する予定だったらしいです。この時もこの行員の罪状は、横領ではなく脱税でした。破棄する予定のゴミは横領にはならないということでしょうか。何にせよ外国人投資家向けの優待は、信託銀行でゴミになってしまうという事実が明らかになった事件でした。

株主優待が株価に与える影響については、学術的な論文も複数発表されており、例えば『証券アナリストジャーナル』の2017年10月号には「株主優待が株価にもたらす独自効果」というタイトルの論文が載っています。これによれば、「株主優待の廃止と増配を同時発表しても、負の累積超過リターンがみられた。」とあり、正に今回のケースのような事例