芸能人はなぜ干されるのか?

こんにちは、ヘッタ・チャンです。

少し前に、騒がれた闇営業事件。
吉本は以前上場していて、2010年にMBOで上場廃止に。
今その株主には、各テレビ局がなっています、

投資の世界ともリンクしていたので、この業界の裏のことも知ってみたいと思い読んでみたのが、
増補新版 芸能人はなぜ干されるのか?

芸能界と一般との常識乖離、業界の歴史とタレントの栄枯盛衰と併せて興味深く読める一冊でした

読めば読むほど、下記リンクにあるようによく2010年まで上場できてたな…と思わされます。

吉本問題は2010年上場廃止に端を発するコンプラ逃れのツケである

自分も大分年なので、本書に出てくる干された芸能人たちを懐かしくそして悲しく思い出しました。
組織の力の前では、個人の才能も簡単に摘み取られ、理不尽な仕打ちに甘んじなくはいけなくなることが嫌と言うほどわかります。

金融業界は、金銭というわかりやすい物差しがあるのでシンプルですが、芸能の世界はそれだけではない価値観で成り立っているので、あの世界を上手く渡りきるのは大変なことだと思い知らされました。

以下備忘録的抜粋

複数のメディアが北野(誠)の芸能活動休止を報じた。
松竹芸能の公式サイトでも、関係者への謝罪とともに北野の無期限謹慎処分、関係する役員・社員を懲戒処分にしたことが発表された。
そうした状況での北野本人の会見である。記者からの質問は、当然、これだけの騒動の原因となった「不適切な発言」の内容に焦点が集まった。だが、北野は「蒸し返すことになるので容赦してほしい」と言うのみで、真相を明らかにしなかった
中略
サザンの所属事務所はバーニングではなくアミューズだ。
どうして、バーニングがサザンの(原盤権の)権利を保有しているのか。アミューズの創立者である大里洋吉は、サザンを売り出した当時、渡辺プロダクションから独立したばかりで資金がなく、プロモート費用をバーニングに頼り、その見返りとしてバーニングにサザンの知的所有権が提供された、と言われてきた。
ところが、『サイキック青年団』で作家の竹内は、大里には資金はあったのにバーニングが強引に資金を「押し貸し」し、サザンの原盤権を奪ったかのように話し、北野も「ワシらは出したる言うてんねんから、乗ったらんかい」と調子を合わせた。
中略
芸能界におけるバーニングの発言力は絶大なものです。バーニング系列とされる芸能事務所は 50 あるとも 60 あるとも言われ、その影響力は極めて大きく、以前からドラマなどのキャスティング権を牛耳っているとされています。
北野の無期限謹慎などの一連の処分は、北野発言に怒った周防社長による報復というのが芸能界の大方の見方

『サイゾー』( 11 年5月号)は「週刊誌デスク」のコメントとして
「歴史が長い芸能プロは基本的にタレントと契約書を交わさない、いわば信頼関係から成り立つ口約束がほとんど。でも水嶋はそれを嫌い、交際していた絢香も含め、CMやドラマ、映画などの出演料の取り分を定めた契約書を結ぶよう交渉した」と指摘している。

「タレントは所属事務所を独立してはならない」
「タレントは事務所の移籍をしてはならない」
「タレントは所属事務所の指示に従わなければならない」
これが「芸能界の掟」と呼ばれる芸能界に特有のルールだ。
タレントは一般の労働者が当然、持っている労働基本権(自主的に労働することを妨害されない権利、労働組合を作り加入する権利、労働組合加入を強制されない権利、雇用者と団体交渉を行う権利、合法的に争議を行う権利など)を持っていない。
それを阻んでいるのがタレントを管理する「芸能事務所」、あるいは「芸能プロダクション」であり、それを組織化した「日本音楽事業者協会(音事協)」のような事業者団体の存在だ(なお、本書では主に「芸能事務所」という表記を用いることとする)。

(所属事務所)T& Cの年間利益が 20 億円で、そのうちのピンクレディーの年収を3600万円として計算すると、ピンク・レディーの取り分は総売上げの1・8% にすぎない。ピンハネ率は実に 98% にも達する
中略
だが、ピンク・レディーは 81 年3月のコンサートをもって解散してしまう。そしてT& Cも同年9月、2回目の不渡り手形を出し、事実上の倒産となった。

今でも吉本の看板タレントが出る番組には、松竹のタレントは基本的に出演できないことになっている。吉本の芸人は、売れれば、自分では気が進まない仕事であっても、後輩のバーター出演のために請けなければならないという。吉本興業は、そのようにして縄張りを拡大させてきた

秋元は放送作家として『夕やけニャンニャン』に関わり、多くの曲の作詞を手掛け、おニャン子の仕掛け人と目されていた。だが、実際にはテレビ局主導で振り回されるばかりで、周囲には「おニャン子の利益は局に全部持っていかれた」とボヤいていたという。
中略
AKBは劇場を持つことでテレビ局を排除することに成功した。だが、それだけでは不十分だ。AKBを自立したビジネスに育てるためには、芸能界からの妨害を阻止し、協力を取り付けなければならない。
中略
AKBがブレイクすると、芸能プロダクションの集まりである日本音楽事業者協会(音事協)で会議が行われた。AKBのメンバーを、各事務所にどう分配するか、という話し合いだ。
中略
AKBのビジネスにとって重要なのは、音事協を敵に回さず、協力を取り付けることである。そのための人身御供として、メンバーは各事務所に預けられているにすぎない。 かくしてAKBは主導権を放送局から奪い、談合によって利権をバラまき、芸能界からの妨害を回避し、「オール芸能界」を演出することに成功した。AKBが長期間にわたって芸能界に君臨できたのは、こうした理由によるところが大きい