ストレスのもとで 多くの人が下すもっとも一般的な決定

こんにちは、ヘッタ・チャンです。

昨日の大敗を反省し、魔術師が贈る55のメッセージを読み直していました。


耳が痛い記述が多々あったので、自戒を込めて転載

ストレスのもとで 多くの人が下すもっとも一般的な決定は、 “決定しない”ことです。
―バン・K・タープ  『マーケットの魔術師』

運が悪いというだけで、 大失敗することはまずない。 失敗には必ず理由がある。
―マーク・ワインスタイン 『マーケットの魔術師』

リハビリに成功した運動選手は、 自分の進歩だけを見ていました。
自分自身を比較していたのです。 自分は、先週からどのくらい、 先月からどれくらい、「進歩しただろう」と、 自分自身を比較していたのです。
―チャールズ・フォルクナー  『新マーケットの魔術師』

基本的に私の大やられは、「過度な自説への自身」が原因で、たいていは以前にそれで成功していたというのがあります。
毎回同じようなやられで、なかなか進歩していない気がします。

今年に入ってTOB狙いはそこそこ当たっていたので、それも今回のやられの一因でした。

成功が逆に失敗を招く。
よくある話ですが、常に気を付けたいものです。

平成の通信簿 106のデータでみる30年 其の参

こんにちは、ヘッタ・チャンです。
二回に分けて紹介した平成の通信簿 106のデータでみる30年 (文春新書)

備忘録其の参です。

今回は、終身雇用や増える派遣労働など日本の雇用についてや、増え続ける教育費や社会日保障といった家計問題、そして死生観といったものの30年の変遷と諸外国との差や一時期株価の大きなテーマだったインバウンドの実態について、メモをしたところを備忘録として、上げていきます。

ふりーパパさんが人材派遣会社でテンバガーを達成していますが、あれは日本の構造変化で起こった業界のパラダイムシフトで、企業の価値が大きく変わったところだったのだとよくわかりました。
マクロの変化が個別企業に業績に与える大きさがよくわかり、そちらも投資でも利益を得るヒントになりました。

以下備忘録

実際のところ、終身雇用といえるような働き方をしている人は、どのくらいいるのだろう。厚生労働省「賃金構造基本統計調査」に、企業規模別・業種別・性別の勤続年数のデータがあるので見てみよう。
定年間際の 55 ~ 59 歳での勤続年数は、もし終身雇用なのであれば、大卒者では約 35 年、高校ではもっと長いはずである。
しかし実際には、平均勤続年数が 30 年を超えているのは「製造業」の「大企業」の「男性」だけである。それ以外は、終身雇用とはいえない年数になっている。
では日本の労働者のうち、製造業の大企業の男性はどのくらいいるだろう。
統計によって数字に幅はあるが、この調査では8%程度にすぎない。いわゆる終身雇用というのは、非常に限られた人の間だけにしか、そもそも存在しなかった制度

それにもかかわらず、日本人の終身雇用・年功序列への憧れは根強い。
産業能率大学の「2018年度 新入社員の会社生活調査」では、新入社員で終身雇用を望む人の割合は 66・4%であった。
日本生産性本部の「新入社員 春の意識調査」の2016年度調査では、年功序列での昇格を望む人の割合が 42・3%と過去最高となった

1989年に約800万人であった非正規雇用者の数は、2018年は約2100万人と、約2・6倍になった。
いっぽう正規雇用者数は、約3400万人で、ほぼ横ばいである。つまり、非正規雇用の割合が大幅に増加している。
そもそも合法な契約を結んで規則的に働いているのに「非正規」とは穏やかでない。
正規・非正規という区分は、日本と韓国以外の統計ではあまり見られないものである。
問題の根本には、日本社会が共有している賃金思想はあくまで生活給であり、それが同一労働同一賃金や、雇用者被雇用者の対等な関係といった、近代的な労働法の思想と、原理的なレベルで矛盾するという構造がある。
雇う側も、雇われる側も、世間も、労働契約というタテマエにいちおう付き合ってはいるが、みなホンネを心得ている。
雇う側は、社員に全人格的な献身を要求する一方で、身分にふさわしい生活をどうにか維持できるだけの扶持を与える。
雇われる側は、労働の成果あるいは能力にもとづく対価といったものではなく、生活できる金額をもらわないと満足しない。
政府は、個人の生活保障を担うべき存在のはずだが、企業にそれをさせようとする。
その結果、単なる労働契約の一形態であるはずの正社員を、世間は身分とみなす。

日本の労働生産性は、他の先進国に比べて低い。
直近の順位は、OECD加盟 36 カ国中 20 位、主要先進7カ国の中では最下位である。
日本の労働者が1時間働いて得られるものは実質ベースで 47 ドル。
これが米国やドイツでは 70 ドルだから、生産性はこれらの国の3分の2しかないことになる。

生産性の低さの別の現れ方として、労働者のやる気の問題がある。
日本人の仕事に対するやる気は、ほぼ全ての調査で最低ランクである。
たとえば米国の世論調査会社であるギャラップが、世界各国の企業で実施した従業員のエンゲージメント(仕事への熱意) 調査では、日本は「熱意あふれる社員」の割合が6%しかなく、調査した139カ国中132位であった。

数の少なくなった貴重な人材を、今の日本はどう育てているだろう。
教育費の公費負担額の対GDP比をみると、日本はOECD加盟国でデータの存在する 34 カ国中最下位、未加盟国を含む 40 カ国では 39 位である。
トップの中米のコスタリカは、建国当初から教育熱心な国として知られ、教育費にGDPの6%を使うことを憲法に明記している。

 

訪日外国人数の急増の理由は、日本の魅力が高まったからというよりは、世界的に観光客が増えたからというのが大きい。
経済成長でお金を手にしたアジア地域では、海外旅行がきわめて盛んになり、その手近な目的地のひとつとして日本が存在している。
世界全体の海外旅行者の数は、1990年は年間のべ4億人であったのが、2016年は 12 億人と、3倍に増加している。
日本は人気の旅行先のひとつではあるが、日本への旅行だけが人気になっているわけではない。
日本の社会保障の特徴として、所得の再分配が他国に比べて十分に機能していない点が指摘される。
どの国でも、豊かな人には累進課税を行って応分の負担を求め、それを貧しい人に還元するしくみがある。
しかし日本では、累進性のある所得税とは別に、所得が少ないほど負担率の大きい「逆進性」のある健康保険料や年金保険料の負担が重い。
そして所得税や法人税は、住宅ローン控除やふるさと納税や租税特別措置など、複雑にされながら累進性が骨抜きにされる一方で、社会保険料は年々高くなっている。

最新(2016年) の統計では、日本人の平均寿命は、女性は 87・1歳、男性は 81・0歳と、平成の間に約5年伸びた。
女性は世界第2位、男性は世界第4位となった。
1位ではなくなったが、世界で最も寿命の長い国のひとつであることは間違いない。
世界の平均寿命は、女性 74・3歳、男性 70・0歳であるから、日本は世界の平均よりも女性は約 13 年、男性は約 11 年長生き
日本の薬価は、海外に同種の医薬品がない場合、基本的には原価計算方式によって決定される。
その際、少ない販売数でも開発費を回収できるように価格が設定された。それがそのまま、患者数の多い非小細胞肺がんの薬として使われるようになったため、保険負担が膨大になり問題となった

効用ではなく原価にもとづいて価格を決める制度のもとでは、製薬会社が巨額の開発費を投じて高額な医薬品を作るインセンティブが過剰になる。
薬価基準算定にこうした問題があるのは日本だけではないので、世界中の製薬会社が世界中の医療保険財源をターゲットに、超高額な医薬品の開発競争を繰り広げているのが現状である。

1980年代以降、日本人の死因の第1位は悪性新生物(がん) である。
この 30 年間で、がんによる死亡率は2倍近くになった。これはがんが増えたというよりも、がんになるまで長生きするようになったというのが正しい。

備忘録ここまで

薬価の開発が企業の時価総額に大きな影響を与える理由の一端が個人的には参考になりました。
平成という時代の株価の動き、令和でも活かしたいものです。

平成の通信簿 106のデータでみる30年 其の弐

こんにちは、ヘッタ・チャンです。
先日紹介した平成の通信簿 106のデータでみる30年 (文春新書)

備忘録其の弐です。

今回は世界の人口がどう変わりどう変わっていたかを中心に紹介します。
國の経済に影響を大きく与えるのは人口です。

ですが、それが個々人の幸せに直接リンクするわけではない分析は頷く部分がありました。
他日本の農業漁業が世界とどう違うのか、どう違っていたのか等の視点も気付きになりました。

以下備忘録

生産者にとっての国別GDPとは、世界におけるその国の市場の大きさ、マーケットとしての重要性を表す指標
中略
国の中で暮らす人にとって、国の規模が大きいかどうかは、必ずしも重要ではない。
歴史的にみても、小さくても豊かな国はたくさんある
一人あたりGDPランキングでは、むしろ小さな国のほうが有利であるようにすら見える
国別GDPは、経済の中で暮らす主体にとってはそれほど重要ではなく、経済を客体として見るときに重要なものといえるかもしれない

現在は世界の6人に1人が中国人だが、2050年には、世界の6人に1人がインド人となる。
ナイジェリアと米国は4億人を超える。バングラデシュでは、日本の北海道と東北を合わせたくらいの面積に、2億人の人口がひしめくことになる。
日本は世界で 16 位となり、アジアではフィリピンに抜かれる。

日本はいまも「経済大国」である。しかし、そのありかたは変わった。
昭和の日本は、国内で製造して国外に輸出する「ものづくり大国」であった。
平成の日本は、国外で投資して工場を作って、そこで製造して世界に輸出する、もしくは日本に輸入する「投資大国」になった。
モノを生産して海外に輸出してカネを得る国から、カネを海外で投資してカネを得て、それでモノを輸入する国に変わったのである。

現在、世界での家電のメーカー別シェアは、日本のそれとは全く異なる。
世界では、
冷蔵庫ではデザイン性の高い米国やスウェーデンのブランド、
薄型テレビでは高品質の韓国ブランド、
エアコンでは低価格の中国ブランドが人気である。
しかし日本では、依然として日本ブランドが好まれている。
現在の日本の家電市場は、いわゆるガラパゴス化が進んでいる市場のひとつであり、量販店の売り場からは世界の状況が見えにくい

農地面積は444万ヘクタールと、1990年の524万ヘクタールから 15%減少した。

大ざっぱに言うと、現在の農地面積は九州全部と山口県を合わせたぐらいであり、広島県ぐらいの農地がこの 30 年で耕作されなくなったことになる。
農業の国内生産額も1990年の 11・5兆円から9・2兆円まで減少した。
ただ、農業従事者数の減少に比べると、農地面積はそこまで減っていないし、生産額も持ちこたえているともいえる

日本の農家の約半数はコメ農家である。
米の年間一人あたり消費量は、1962年の118キロを境にずっと減少している。
1989年には 70 キロほどあったが、2016年は 54 キロと、ピーク時の半分以下となった。農家を守ろう、もっとお米を食べよう、という農林水産省の掛け声も空しく、この数字は低下してきた。

いっぽうこの間に、世界の農業生産は大きく進歩した。
1990年から2016年で、世界全体の農業生産額は名目額で2・8倍になった。中国9・4倍、インドネシア5・8倍、インド4・0倍、ナイジェリア6・4倍と、途上国での生産量は飛躍的に増加している。
この 30 年は、「世界の人口」で見たマルサスの推論とは逆に、農業生産の増加率が人口の増加率を上回った時代であったといえる。
先進国をみても、農業国である米国の農業生産額は2・0倍、オーストラリアは3・0倍に増加している。国の経済に占める農業のシェアの低いドイツやフランスやイギリスでも減少幅はわずかで、日本ほどの衰退傾向はみられない

現在の日本の漁業の状況を見てみよう。
魚の水揚量(漁獲量+養殖量) は、1989年の1191万トンから減少し続け、2016年には436万トンと約3分の1になった。
1988年には 40 万人近くいた漁師の人口は、2017年に 15 万人となった。
この数字ですら、実際には漁業で生計を立てていない人が多く含まれており、過剰推定であるといわれている。儲からないうえにきつい仕事であるとして、後継者不足が常態化している。

日本では低調な漁業だが、世界では全く状況が異なる。
この 30 年で、世界中の人が魚をたくさん食べるようになった。
世界の一人あたり水産物消費量の年間平均は、1980年代の 12 キロから、2010年代には 20 キロ以上へと急増した。
それに伴い、世界の魚の水揚高も約2倍に増加した。
といっても、天然魚の漁獲量はさほど増えておらず、2000年からはむしろ減少傾向にある。
圧倒的に増えたのは養殖魚である。世界全体の養殖量は、1989年の1650万トンから、2016年の1億1000万トンへと、約7倍に増加し、天然魚の漁獲量9200万トンを上回った。
獲ったもの勝ちの漁場では、長時間操業する者が有利である。
しかし全員が長時間操業すると、全員の漁獲量が減少し、全員の生産性が下がる。
いっぽう、漁獲量が厳格に定められている漁場では、経済価値の低い稚魚ではなく大きく育った魚を、いかに早く効率的に獲ってくるかという競争をする。

そうした漁場では、単位時間あたりの生産性を高める方向への技術革新が進む。その結果、ノルウェーなどでは漁業従事者の年収も非常に高いものとなっている。

 

2017年の世界の再生可能エネルギーの発電量は2152テラワット時、総発電量に占めるシェアは8%にまで増加し、完全にエネルギーミックスの一翼を担うようになった
(ここでの再生可能エネルギーとは、バイオマス・地熱・風力・太陽光などで、マイクロ水力以外の大規模水力発電は含まれていない。「その他火力」には、卸売等で電源を特定できないものが含まれる)
原子力発電の発電量は2635テラワット時で、こちらは増加が止まっているので、再生可能エネルギーの発電量は、もうすぐ原子力を上回るとみられる。
中略
太陽光も風力も、もとは太陽のエネルギーであり、資源量はほぼ無限といってよいものだ。
エネルギー資源の枯渇を心配する必要は、もはやなくなりつつある。
気の早い話をするなら、エネルギーは無料になりつつある。資源をめぐる悲惨な争いも減るだろう。
人間という貴重な資源に比べて、エネルギー資源が無視できるほど安価になる未来を、現実的に想像できる時代がすでに来ている。

備忘録ここまで

電気水道ガスや石油、太陽光パネルなどエネルギー会社やその周辺の株価が今後どうなっていくか、最後の紹介は考えさせられますね。

次回は、日本の雇用や家計といった部分についてのまとめを考えています。
気長にお待ちください

平成の通信簿 106のデータでみる30年 (文春新書)

こんにちは、ヘッタ・チャンです。

最近は新しい投資法を試していて、ブログを書く時間が全く取れませんでした。
ちょっと落ち着いたので、本の紹介をしてみようかと。

今日紹介するのは
平成の通信簿 106のデータでみる30年 (文春新書)

令和最初に買った一冊です。

平成という30年の間に、日本がどうなったのか?
データで同時期の世界各国と比較する良書

失われた30年は本当に失われたのか?
考えさせられた、気付きかされた部分をこれから一部紹介していきます~

以下抜粋

学校を出ると、基礎的なことは知っているふりをすることになっていて、ちゃんと向き合う機会は少ない
いまどきの教科書を開いてみると、鎌倉幕府ができたのは1192年ではなくなっているし、太陽系の惑星の数は1つ減っている

歴史や科学よりも移ろいやすい現代の社会のことはもっと変わっていて当然なのだけれど、頭の中にある世界像は十数年、あるいは何十年も前のままという人がほとんどだ

ECモール最大手の楽天の流通総額は年間3兆4000億円。
これは中国のアリババグループが 11 月 11 日の「独身の日」一日で売り上げる額である。
以下、ヤフーは1兆5000億円(ヤフオク9300億円・ヤフーショッピング6000億円)
日本で唯一の「ユニコーン企業」といわれたメルカリは3000億円
月旅行で話題になった前澤友作氏の率いるファッション通販のゾゾは2600億円である

シンガポールや香港のような都市国家は、一人あたりGDPのランキングではやはり有利になる。
ためしに東京都の一人あたりGDPを計算してみると、これは2015年の数字だが、約6万4000ドルとなった。
2015年のシンガポールの一人あたりGDPは約5万5000ドル、香港は約4万2000ドルであるから、これらを上回る

国際比較では、各国の物価水準から算出される購買力平価(PPP) と呼ばれる値にもとづいて換算した値を、実質GDPとして用いることが多い。
これでみると、日本は順調に成長しているように思われる。かつての日本は、名目GDPが高いわりに実質GDPが低い、つまり、見た目の所得のわりには物価が高くて暮らしにくい見栄っ張りな国だったのが、いまは背伸びをせずに豊かさを享受する普通の国になったということかもしれない。

日本のGDPは、1989年から2017年の間に1・6倍に増えている。
これだけを見ると、「失われた 30 年」とはいえ、なかなか増えているものだと思われるかもしれない。
しかし世界の中でみると、日本はこの 30 年間でもっとも成長しなかった国のひとつである。
世界全体のGDPは、この間に4・0倍になった。中国は 26・1倍、インドは8・7倍、韓国は6・3倍、米国は3・5倍。ヨーロッパの国々は世界平均よりも低いが、それでもドイツ3・0倍、フランス2・5倍、イタリア2・1倍となっている。日本のGDPの伸び率は、データの存在する139カ国中134位、下から数えて6番目である。

抜粋ここまで

どうしょう?なかなか興味深いデータだったのではないでしょうか?
このような低成長の国で経済全体の伸びに期待して株を買うのは不利だったことがよくわかります。

この本の紹介はもう少し続きますが、それはさておき、

私はメインがイベント投資という、経済の成長とは関係ない部分を糧とする投資法だったので10数年安定して利益を上げることが出来たと思っています。

なお、この利益に多大に貢献したイベント投資ですが。エンジュクの柳橋さんがイベント投資の大全的なDVDを発売されるとのこと。これは気になります

夕凪式イベント投資プロフェッショナル講座【柳橋流実践編】

FACTFULNESS データを基に世界を正しく見る習慣 備忘録其の参

こんにちは、ヘッタ・チャンです。

二回にわたって紹介した

FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣


備忘録として最後の紹介です。

・どの数字が重要かを知ったりするのに使える、とても簡単なテクニック
・ひとつしかない数字をニュースで見かけたときは、必ず問いかけるべきこととは?
・大物投資家がとんでもない投資機会を見逃した話
・なぜ西洋の発展が鈍り、レベル2の国が成長していると認めることが重要なのか?

など、今回も人生と投資に役立つ興味深い話がてんこもり。
みなさんの参考になれば幸いです。

以下備忘録、一部抜粋

世界中で、子供の生存率が伸びている原因を調べてみると、「母親が読み書きできる」という要因が、上昇率の約半分に貢献している。
多くの子供が命を落とさなくなったのは、子供がそもそも重い病気にかからなくなったからだ。
訓練を受けた助産師が、母親を妊娠中から出産時までサポートする。訓練を受けた看護師が、子供に予防接種を行う。親たちは子供を寒さから守り、清潔に保つ。
子供が食べ物に困ることもない。周りにいる人もきちんと手を洗う。そして母親は、薬のビンに書かれている注意書きを読むことができる。
まとめると、レベル1やレベル2の医療環境を改善したいのであれば、いきなり立派な病院を建てる必要はない。そんなおカネがあったら、真っ先に初等教育・看護師教育・予防接種を充実させるべきだ。

たくさんの数字を比べたり、どの数字が重要かを知ったりするのに使える、とても簡単なテクニックを紹介しよう。
そのテクニックとは、最も大きな数字を見つけること。これができれば、「 80・20 ルール」をマスターしたも同然

 

ひとつしかない数字をニュースで見かけたときは、必ずこう問いかけてほしい。
●この数字は、どの数字と比べるべきか?
●この数字は、1年前や 10 年前と比べたらどうなっているか?
●この数字は、似たような国や地域のものと比べたらどうなるか?
●この数字は、どの数字で割るべきか?
●この数字は、合計するとどうなるのか?
●この数字は、ひとりあたりだとどうなるのか?
できるだけ、量ではなく割合を計算しよう。その後で、数字が重要かどうか判断すればいい。

 

「世界は分断されている」という思い込みは、「わたしたち」は「あの人たち」と違うという勘違いを生む。
一方「ひとつの例がすべてに当てはまる」という思い込みは、「あの人たち」はみな同じだという勘違いを生む。
あなたはレベル4の企業にお勤めだろうか? だとすると、パターン化のせいでたくさんの消費者と生産者を見逃しているかもしれない。
それとも大手銀行で金融の仕事をしている? ならば、クライアントの資産を間違った場所に投資しているかもしれない。まったく違う人たちをひとくくりにしてしまうと、ビジネスチャンスを逃してしまう

実際には 88%の子供が予防接種を受けているのに、大物投資家たちがわずか 20%しか受けていないと思い込んでいたということは、彼らが莫大な投資機会を見逃しているということだ。
「プロとして失格」と言われても仕方がない。

なぜ西洋の発展が鈍り、レベル2の国が成長していると認めることが重要なのだろう?
ひとつには、IMFの経済予測が、退職年金の投資地域に大きく影響するからだ。投資家の資金がヨーロッパや北米に集まったのは、この地域が速く安定的に成長すると予想されたからだ。
予想が外れて、実際には欧米諸国が成長しなければ、退職年金も増やせない。低リスク・高リターンのはずの国が、実は高リスク・低リターンだったわけだ。
そのあいだ、莫大な成長力を秘めたアフリカ諸国に、投資家は見向きもしなかった

頭がいいからと言って、世界の事実を知っているわけではない
数字に強くても、教育レベルが高くても、たとえノーベル賞受賞者でも、例外ではない。
その道のプロは、その道のことしか知らない。

ファクトフルネスも批判的思考のひとつと言ってもいい。
それが次の世代を知識不足から守ることになる。
●世界には健康と所得のレベルがさまざまに違う国があることと、そのほとんどは中程度だということを子供たちに教えよう。
●自分たちの国の社会と経済が、世界の中でどのあたりに位置するかを教え、それがどう変わっているかを教えよう。
●自分たちの国がいまの所得レベルになるまでに、どんなふうに進歩してきたのかを教えよう。その知識を使って、ほかの国の人たちがいまどんな生活を送っているかを理解しよう。
●貧しい国の所得レベルは上がっていて、物事はいい方向に向かっていることを教えよう。
●自分たちの国は進歩していないと誤解しないよう、昔の生活が実際にどんなものだったのかを教えよう。
●反対に見える2つのことが、両立することを教えよう。世界では悪いことも起きているけれど、たくさんのことがよくなっていることを伝えよう。
●ニュースの見方を教えよう。本能に訴えかけようとするメディアの手口を見抜けるようになれば、悪いニュースを見ても不安になったり絶望したりしないですむ。
●文化や宗教のステレオタイプは世界を理解するのに役に立たないことを教えよう。
●数字でけむに巻かれないよう、どんな手口にだまされやすいかを教えよう。
●世界は変わり続けていることと、死ぬまでずっと知識と世界の見方をアップデートし続けなければならないことを教えよう。
なによりも、謙虚さと好奇心を持つことを子供たちに教えよう

好奇心があるということは、新しい情報を積極的に探し、受け入れるということだ。
自分の考えに合わない事実を大切にし、その裏にある意味を理解しようと努めることだ。答えを間違っても恥とは思わず、間違いをきっかけに興味を持つことだ。
「どうしてそんな事実も知らなかったんだろう? この間違いから何を学べるだろう? あの人たちはバカじゃないのに、どうしてこんなことをしているんだろう」と考えてみることだ。
好奇心を持つと心がワクワクする。好奇心があれば、いつも何か面白いことを発見し続けられる。

抜粋ここまで

最近、いろいろとあって好奇心がヘッテルなので、もっといろいろなものに興味をもたなくてはと思わされました。
PCに向かって作業ばかりでなく、体や頭、普段使わない部分を使って、世界をしっかりと理解し、投資も人生もよくしたいものです。

FACTFULNESS データを基に世界を正しく見る習慣 備忘録其の弐

こんにちは、ヘッタ・チャンです。

前回紹介した

FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣

投資判断や数字に関する部分で参考になったところを一部まとめてみました。
悪い情報を受けたときに考えること、大きなテロや大地震が起きたときの心構え、対策、経済的観点など気づかされることが多い一冊です。

以下備忘録を兼ねて、一部抜粋

統計を読み解く際には、「数値の差が 10%程度かそれ以下である場合、その差を基になんらかの結論を出すことには慎重になるべき」と覚えておこう。このデータからはっきりと導き出せることは、「世界の大半の人は、『世界はどんどん悪くなっている』と考えている」ということだ。

暮らしが良くなるにつれ、悪事や災いに対する監視の目も厳しくなった。昔に比べたら大きな進歩だ。
しかし監視の目が厳しくなったことで、悪いニュースがより目につくようになり、皮肉なことに「世界は全然進歩していない」と思う人が増えてしまった。
活動家や利益団体による印象操作も問題だ。なんらかの指標が一時的に悪化しただけで、「もうおしまいだ!」と叫ぶ人たちが後を絶たない。

良い変化のほうが悪い変化より多かったとしても、良い変化はあなたの耳には入ってこない。あなたが探すしかない。
統計を見れば、良い変化がそこらじゅうにあることに気づけるだろう。
「悪いニュースのほうが広まりやすい」と心得ておけば、毎日ニュースを見るたびに絶望しないですむ。大人も子供も、ぜひこの考え方を身につけてほしい。

現在、「世界は危険だ」という主旨のニュースは、昔よりも効果的に配信されるようになった。
一方で、現在の世界は、人類史上類を見ないほど平和で安全だ。これって、ちょっとおかしくないだろうか?
わたしたちの先祖の命を救ってくれた恐怖本能は、いまやジャーナリストたちの雇用を支えている。かといって、「ジャーナリストが悪い」とか「ジャーナリストが行動を改めるべき」という指摘をするのは筋違いだ。
メディアが「人々の恐怖本能を利用してやろう」と考える以前に、わたしたちの恐怖本能が、「どうぞ利用してください」と言っているようなものなのだから。
わたしたちがやるべきことは、見出しの陰に隠れている事実に目を向けることだ。そうすれば、恐怖本能がいかにして、「世界は怖い」という印象を人々に植え付けるかがわかるだろう。

大災害がまさに起きている最中に、「世の中は良くなっている」と言うのは場違いだ。
とてつもなく大きな苦しみの中にいる被害者や、被害者の家族の気持ちを踏みにじるだけだ。人としても完全に間違っている。こういうときは、人類の進歩のことはいったん忘れるべきだ。
そして、それぞれができる限りの協力をしよう。
危機を脱するまで、事実や全体像について語るのは控えたほうがいい。だが、状況が落ち着いたら、わたしたちは再び「事実に基づく世界の見方」に沿って行動しないといけない。感情的にならずにソロバンをはじき、将来できるだけ多くの命を救えるように、資源が分配できているか確かめよう。

2016年には、4000万機の旅客機が、死者をひとりも出さずに目的地に到着した。死亡事故が起きたのはたったの 10 機。もちろんのことながら、メディアが取り上げたのは、全体の0・000025%でしかない、この 10 機のほうだった。安全なフライトがニュースの見出しを飾ることはない。
中略
恐怖本能は諸刃の剣だ。恐怖本能があるおかげで、世界中の人々が助け合うことができる。そしてそれが、人類の進歩につながる。一方、恐怖本能のせいで、「年間4000万機もある、無事に着陸した飛行機の数々」に、わたしたちはなかなか気づかない。「年間 33 万人もいる、下痢で亡くなる子供たち」が、テレビに映ることもない。それが、恐怖本能の恐ろしさだ。

あなたの大切な人が酔っ払いに殺される確率は、テロリストに殺される確率より約 50 倍も高い。
レベル4の国で大掛かりなテロ事件が起きれば、メディアは大騒ぎだ。しかし、アルコールの犠牲者は、ほとんどテレビに映らない。
空港のセキュリティチェックも、テロが増えている印象を植えつける。しかし実際には、セキュリティチェックのおかげで、いままで以上にテロが起きにくくなっている。
2001年9月 11 日に起きた同時多発テロの1週間後にギャラップ社が行った調査によれば、当時のアメリカ人の 51%が、「家族がテロの犠牲になるかもしれない」と考えていた。
14 年後、同じ調査を行ったところ、結果は同じ 51%だった。人々のテロへの恐怖は、同時多発テロ直後とまったく変わっていないようだ。

● リスクは、「危険度」と「頻度」、言い換えると「質」と「量」の掛け算で決まる。 リスク=危険度×頻度だ。ということはつまり、「恐ろしさ」はリスクとは関係ない。
● 行動する前に落ち着こう。 恐怖でパニックになると、物事を正しく見られなくなる。パニックが収まるまで、大事な決断をするのは避けよう。

抜粋ここまで

もう一二回、備忘録を載せていきますので気長にお待ちください。

FACTFULNESS 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣

こんにちは、ヘッタ・チャンです。

今月は色々とバタバタしていてブログを書く時間が取れなかったのですが、ようやく少し落ち着いたので、投資にも関係する、面白かった本の備忘録をここに載せてみます。

紹介するのは

FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣

前から評判が良く気になっていたところ、運良く半額セールをやっていたので(今は終了しています)、即購入
最近ようやく読み終わりました。

この本で、わかるのは我々が「悪い数字やニュースにとても影響されやすい」ということ
投資家でも、常に景気の悪化や株価の下落を気にする人がいますが、これは私たちに備わる本能が、そういったものを必要以上に意識するようにできているから。

本書では繰り返し、世の中はどんどん良くなっていることが書かれています。
それを私たちが実感できないのは、なぜなのか? その原因がよく書かれています。

投資においても、人生においても読んで損のない一冊でオススメです。
以下備忘録を兼ねて、一部抜粋

ナビの情報が間違っていたら、目的地にたどり着けるはずがない。
同じように、間違った知識を持った政治家や政策立案者が世界の問題を解決できるはずがない。
世界を逆さまにとらえている経営者に、正しい経営判断ができるはずがない。
世界のことを何も知らない人たちが、世界のどの問題を心配すべきかに気づけるはずがない。

わたしは何十年も講義やクイズを行い、人々が目の前にある事実を間違って解釈するさまを見聞きしてきた。
その経験から言えるのは、「ドラマチックすぎる世界の見方」を変えるのはとても難しいということ。
そして、その原因は脳の機能にあるということだ。

人は誰しも、さまざまな物事や人々を2つのグループに分けないと気がすまないものだ。
そして、その2つのグループのあいだには、決して埋まることのない溝があるはずだと思い込む。

これが分断本能だ。世界の国々や人々が「金持ちグループ」と「貧乏グループ」に分断されているという思い込みも、分断本能のなせるわざだ。

中所得の国と高所得の国を合わせると、人類の 91%になる。
そのほとんどはグローバル市場に取り込まれ、徐々に満足いく暮らしができるようになっている。
人道主義者にとっては喜ばしいことだし、グローバル企業にとっても極めて重要な事実だ。
世界には 50 億人の見込み客がいる。生活水準が上がるにつれ、シャンプー、バイク、生理用ナプキン、スマートフォンなどの購買意欲も高まっている。
そういう人たちを「貧困層」だと思い込んでいるうちは、ビジネスチャンスに気づけないだろう。

生まれたときからレベル4にいる人には、ほかの3つのレベルがそれぞれ大きく異なることを想像するのは難しい。
世界の残りの 60 億人の生活水準を正しく理解するには、相当気をつけないといけない。  
 
 
高層ビルの上から見下ろすと、低い建物の高さの違いがわかりにくい。どれも同じくらい低く見える。
同じようにレベル4の人々には、世界が金持ち(あなたがいる高層ビル)と貧乏人(低い建物)に分かれているように見える。
下界を見下ろして「みんな貧しいんだね」と言うのはたやすい。
車を持っている人、バイクを持っている人、自転車を持っている人、サンダルを持っている人、履くものすらない人の違いがわからなくなる。
 しかし「下界」に住む人にとって、レベル1とレベル2、レベル2とレベル3の違いは非常に大きい。

抜粋ここまで

海外に売上をたてている企業などの商品や顧客を理解するにおいて、本書の言うレベルの違いをしっかりと理解することは投資成績に影響を与えるのではないでしょうか。
本日の紹介はここまで

また後日備忘録を載せていきますので気長にお待ちください。

「もっと言ってはいけない」 その他知っておくべきと思ったまとめ

こんにちは、ヘッタ・チャンです。

前回と前々回のブログで「もっと言ってはいけない 」を紹介しました。
*前々回記事 「もっと言ってはいけない」 投資で成功するのは10人に1人?!
*前回記事 「もっと言ってはいけない」 投資教育の新知見まとめ

今回の日記は、それ以外の雑記まとめです。

・人類の体毛が薄い理由が一時期水上で生活をしていたからといった学説
・ユダヤ人のIQが高い理由の仮説、
・政治的にリベラルなひとは保守的なひとに比べて知能が高いというデータ
・日本人を含むアジア人がアメリカで成功しやすい理由
・なぜ男性に成功した投資家が多いのか

など、多岐に渡って、聞いたこともなかった情報を知ることができました。
現在無職ですが、投資家に戻るか、その他新しいことを始めることを始めるにしても、この本をその前に読めたことはとても幸運だったと思います。

以下一部ですが、備忘録的抜粋です

世界を複雑なものとして受け入れることや、自分が「悪」で相手が「善」かもしれない可能性を疑うことは、この単純な世界観をはげしく動揺させる。
それは、陳腐で平板な世界でしか生きられないひとたちにとってものすごく不安なことなのだろう

日本の心理学者の中には怪しげな宗教家のような人がいて、知能テストを差別の道具であると批判する人がいる。知能テストを批判しておくと居心地がよいからだ。
これは日本の文化水準が低く、サイエンスの価値が理解されていないからである。
「一般知能 gは実在しない」というグールドは正しかった。だがそれでも、g を「統計的実在」として知能を科学することはじゅうぶん可能なのだ。

サマーズは、「女性は生得的に知能が低い」といったわけではない。
男と女で知能が優位な分野に偏りがあること(男は空間把握能力や論理・数学的能力に優れ、女は言語能力や共感力に秀でている)と、男の方が知能の標準偏差(分布のばらつき)が大きいことを指摘しただけだ。
これらはいずれも認知科学の多くの研究で繰り返し確認されており、差別的な主張というわけではない。

海洋生物学者のハーディーは、「陸生の大型哺乳類のなかで、皮膚の下に脂肪を蓄えているのは人類だけだ」との記述を読んで、アシカやクジラ、カバなど水生哺乳類はみな皮下脂肪をもっていることに気づいた。
だとしたら人類も、過去に水生生活をしていたのではないか。

ユダヤ人はキリスト教世界ではげしい差別に晒された。そのなかでアシュケナージが生き延びるには、自分たちのささやかな優位性(識字率の高さ)にすがるしかなかった。
そんな苦難を1000年間つづけた結果、多くの天才を生み出す「高知能集団」へと変貌していった。
ここで興味深いのは、アメリカのアシュケナージのIQ(115)が、ヨーロッパのアシュケナージ(110)より5ポイント高いことだ。
その理由をリチャード・リンは、ナチスの迫害に気づいてアメリカに逃れることのできたユダヤ人は、ヨーロッパに取り残されたユダヤ人より裕福で知能が高かったからだとする。わずか 80 年ほど前の出来事で、集団のIQは5ポイントも変わるのだ。

セロトニン遺伝子の発現量が低いひとは周囲の環境に影響されて反応しやすく、虐待を受けたりまわりから支援を得られなかったりしたときは深刻な負の影響を被るが、その一方で素晴らしい環境に恵まれればそこから大きな利益を引き出せる。
これはケーガンの実験とも整合的で、野生系(オリジナル)のL型の遺伝子は「低反応」だが、S型の遺伝子は扁桃体を敏感にすることで脳を「高反応」にするのだろう。
内向的なのは「人ぎらい」なのではなく、相手の微妙な反応を読み取ろうとして疲れてしまうからで、社交的で明るく見えるのは、相手の反応を気にしない鈍感さから生まれるのだ。

日本人は「ひ弱なラン」  セロトニン運搬遺伝子のタイプで、日本人はSS型が3人に2人( 65・3%)を占め、SL型が 30・7%、LL型はわずか4%しかいないという事実は、L型の遺伝子の多いアフリカ系やヨーロッパ系とは文化的・歴史的にだけでなく生得的に異なっている可能性を示している。
こうした遺伝的な偏りは文化(東アジアの稲作社会)への適応から生じ、S型の遺伝子をもつ者が増えることによって、彼らに適したより「高コンテクスト」な文化がつくられていった。
こうした遺伝と文化のフィードバック効果によって、L型の遺伝子は日本社会から急速に淘汰されていった。──日本人は世界でもっとも「自己家畜化」が進んだ民族なのだ。

東アジア系は知能は高いが不安感が強く、目先の利益よりも将来のことを心配する。
「知能」と「意志力(先延ばしのちから)」のこの組み合わせによって、アメリカ社会では短期間で目を見張るような経済的成功を手にするようになった。
医師や弁護士など専門職として成功できるのは、たんに知能が高いだけではなく、「低コンテクスト」が当たり前の社会で、患者や顧客の微妙な表情を読んで的確な応答ができる「高コンテクスト」な能力が優位性をもつからだろう。

日本人の不幸は、遺伝的にストレスに弱いにもかかわらず、文化的に高ストレスの環境をつくってしまうことにある。
そんなムラ社会の閉塞感のなかで、本来はランとして美しい花を咲かせるべき個人が次々と枯れていく。
だがこれは、絶望的な話というわけではない。自分に適した環境に恵まれさえすれば、敏感なS型は(鈍感な)L型よりはるかに大きな喜びを手にすることができるのだ。

トランプ現象が明らかにしたのは、ほとんどのひとは「事実(ファクト)」など求めていないということだ。
右か左かにかかわらず、ひとびとは読みたいものだけをネットで探し、自分たちを「善」、気に入らない相手に「悪」のレッテルを貼って、善悪二元論の物語を声高に語る。
ヒトの脳は部族対立に最適化するよう「設計」されており、直観的にはそれ以外の方法で世界を理解できない。

「もっと言ってはいけない」 投資教育の新知見まとめ

こんにちは、ヘッタ・チャンです。

前回のブログで「もっと言ってはいけない 」を紹介しました。
*前回記事 「もっと言ってはいけない」 投資で成功するのは10人に1人?!

今回のブログでは、若い人に投資をどう伝えていくかについて学びがあった点を紹介してみたいと思います
最近多くの成功した投資家の方が、その手法、考え方を広めていこうとしています。

それについては私も大賛成ですが、大体において自分ができたから他人もできるという視点が大勢です。
前回書いたように投資で成功するのに必要な能力を持っている人が1/10しかいないので、以下の抜粋部分を気にかけるべきではないかと思った次第です。

以下抜粋

社会がどんどん平等になれば、生育環境(親の経済状態など)のちがいはなくなっていくのだから、原理的に遺伝率は上がっていくはずだ。
──遺伝と環境の影響がそれぞれ 50%として、生育環境の影響力が 30%に下がれば遺伝率は 70%に上がる。
これとは逆に、どんどん社会が不平等になれば、親が金持ちか貧乏人かで受けられる教育がまったくちがうのだから、生育環境の影響が大きくなって遺伝率は下がるはずだ。──同じく遺伝と環境の影響がそれぞれ 50%として、生育環境の影響力が 70%に上がれば遺伝率は 30%に下がる

大半のひとは、赤ちゃんのときに遺伝の影響がもっとも大きく、成長するにつれて家庭や学校などで多様な刺激を受けるのだから、環境要因が強まって遺伝の影響は小さくなっていくと思うだろう。
だが発達行動遺伝学の研究は、これを真っ向から否定する。もしひとびとの素朴な常識が正しいなら、成長につれて一卵性双生児の類似性は下がっていくはずだが、実際には逆に高まっていくのだ。

教育関係者なら、親のいうことをきいて一所懸命勉強する子どもは最初は成績がいいが、中学受験や高校受験の頃になると、それまで遊んでばかりいた子どもにあっという間に追い抜かれる場面を何度も見ているはずだ。こうした子どもは「地頭がいい」といわれるが、生得的な能力が思春期に向けて徐々に開花していくと考えるならこの現象を説明できる。
それと同時に、世の親たちがなぜ「幼児教育」に夢中になるかもわかる。共有環境の影響力が幼児期・児童期に最大で、そこから減少していく一方なら、子育てが報われるのは子どもが小さいときだけだ。──私立幼稚園・小学校の「お受験」の結果は家庭環境で決まるかもしれないが、思春期になって遺伝率が上昇してからでは親の努力はなんの役にも立たないのだ。

アメリカでは大学教育の投資効果が綿密に計測されていて、高卒で社会に出た場合と大卒資格者の生涯年収の差を教育費用と比較した場合、その投資効果は年率 10%を超えるとされている(日本でも同様の調査が行なわれ、大学教育は年率6~9%との結果が出ている)。
──とはいえ、こうした投資効果が喧伝された結果、アメリカの若者は借金してでも高等教育を受けるようになり、借金漬けになってしまったのだが。

サマーズは、「女性は生得的に知能が低い」といったわけではない。男と女で知能が優位な分野に偏りがあること(男は空間把握能力や論理・数学的能力に優れ、女は言語能力や共感力に秀でている)と、男の方が知能の標準偏差(分布のばらつき)が大きいことを指摘しただけだ。
これらはいずれも認知科学の多くの研究で繰り返し確認されており、差別的な主張というわけではない。

高度化した知識社会では、高いIQは社会的・経済的な成功をもたらす。
だがもうひとつわかっているのは、知能とアスペルガーのリスクとのあいだに強い相関があることだ。IQ130を超えて 10 上がると、自閉症スペクトラム上に乗るリスクは倍になる。
天才と統合失調症のあいだに遺伝的な相関があることも否定できなくなっている。
アインシュタインの次男は統合失調症に苦しんだし、同様の例はほかにいくらでもある。さらにいえば、アインシュタインの家系はきわめて高い知能が平均へと回帰することも示している。──長男は平凡な物理学者として生涯を終えた。

 

上記の抜粋で、私の常識と特に違ったのは
「高度化した知識社会では、高いIQは社会的・経済的な成功をもたらす。
だがもうひとつわかっているのは、知能とアスペルガーのリスクとのあいだに強い相関があることだ。IQ130を超えて 10 上がると、自閉症スペクトラム上に乗るリスクは倍になる。
天才と統合失調症のあいだに遺伝的な相関があることも否定できなくなっている。」
の部分で

投資家として、大きな資産を築ける可能性のひとつにはIQが高いことが必要なのですが、その場合、一般的な幸せと縁遠くなる可能性があるという点
ここは考えさせられました。
詳細は本書を読んでもらうとして、ざっくり本書の意見をまとめると、IQが高すぎると一般の私のような人間と会話がかみ合わない(常に幼児と会話しているイメージ?)ので、それがストレスになるといった記載が見られます。

投資家はよく「投資の話をする場が会社などではまったくない」という話を見聞きしますが、これはやっている人が少ないというのもありますが、IQ的な隔たりがある可能性もあるのかと思わされました。

投資法を教えることで伸びる方もいるでしょうが、IQや遺伝的才能に依拠する部分が多く、それを持っている人があまり多くないのであれば、どの投資法をどのように伝えていくのが最適解なのか、私にはまだ答えがわかりません。

「もっと言ってはいけない」 投資で成功するのは10人に1人?!

こんにちは、ヘッタ・チャンです。

前作「言ってはいけない―残酷すぎる真実―」で、残酷すぎる真実で遺伝に対する価値観を揺るがし物議を呼んだ橘玲氏が、続編「もっと言ってはいけない 」を出したということで遅ればせながら、読んでみました。

今回は個々人の遺伝差ではなく、遺伝学的にみて、「人種」のちがいに意味がないけれども。「大陸系統」には、集団遺伝学的にみて明らかな偏りがあるという点に多くの部分を割いており、前回ほどパンチはなかったというのが個人的な感想です。

とはいえ、相変わらずの氏の身も蓋もない記述は今回も面白く読ませていただきました。

個人的に、非常に勉強になったのは以下の記述です。

①日本人のおよそ3分の1は日本語が読めない。
②日本人の3分の1以上が小学校3~4年生の数的思考力しかない。
③パソコンを使った基本的な仕事ができる日本人は1割以下しかいない。
④ 65 歳以下の日本の労働力人口のうち、3人に1人がそもそもパソコンを使えない。

①先進国の成人の約半分( 48・8%)はかんたんな文章が読めない。
②先進国の成人の半分以上( 52%)は小学校3~4年生の数的思考力しかない。
③先進国の成人のうち、パソコンを使った基本的な仕事ができるのは 20 人に1人(5・8%)しかいない

以上の抜粋部分は非常に考えさせられました。
というのも、投資のおいて必要なセンス(私にあるかどうかこの際置いておいて)を持つ日本人は、この本の通りだとすると日本人の一割もいないということになるからです。

ファンダメンタル分析、テクニカル分析をするにしても、イベント投資をするにしても過去のデータの分析解析、収集などが必要です。

②日本人の3分の1以上が小学校3~4年生の数的思考力しかない。
③パソコンを使った基本的な仕事ができる日本人は1割以下しかいない。

が事実だとすると、PERやPBRの概念から、その先の売上における利益率の分析、バランスシート内の資産を把握することは、一般的に高度な知的作業になります。
その前に1/3はそもそも文章が理解できないのかもしれないことも加味すると、投資の考えをしっかり理解して投資ができる人間は一割以下ということになります。
(分析にパソコンを使うとして、かつ資産がある程度あるという条件です)

別のページで

産業革命以降、私たちは「知識社会」という人類がこれまで体験したことのないまったく新しい世界を生きることになった。
そこでは「知能」という、狩猟採集時代はもちろん中世ですらたいして重視されてこなかった能力によって人生の成功と失敗が大きく左右される。
なぜなら知識社会とは、その定義上、知能の高い者がもっとも有利になる社会だからだ。

とあり、「知能」という能力があるかないかだけが過剰に影響を与える世界に我々は生きており、その中でどう振舞うか、そこがポイントになるということなのでしょう。

ちなみに出版の世界では漫画を除くと、100万部が大ベストセラーといわれます。
日本人の1%が買っているだけでなぜベストセラーなのかと思うこともあったのですが、本をまともに読める人が1割なのだと極端に仮定すると、10人に1人が買っているわけで、やはりすごいことだったのだと気づかされました。

あくまで私が読んだうえでの直感的感想ですが、投資で長期に成功する人間は1割程度というのは、この辺にあるのかもしれません。
また別の日に紹介予定ですが、本書「もっと言ってはいけない 」では、投資に対する考え方の他にも、

・なぜユダヤ人に数的能力が高い人間が多いのか?
・なぜ男性に凄腕投資家が多いのか?
・IQが高すぎると幸せになれない

など、多くの興味深いトピックがあり、その辺りもおすすめです。

この週末にぜひ読んでみてください!