ファスト&スロー 行動経済学で知っておくと投資の損が減る10大法則

こんにちは、ヘッタ・チャンです。

先日紹介した『ファスト&スロー あなたの意思はどのように決まるか? 』ですが、ひとつひとつのエピソードを紹介していくと何ヶ月もかかりそうなので、まずは初めに知っておくと、投資で損が減りそうな、人が陥りがちな行動をまとめてみました。

・確証バイアス 信じたことを裏付けようとするバイアスがある

・ハロー効果 感情的な印象ですべてを評価しようとする
ある人のすべてを、自分の目で確かめてもいないことまで含めて好ましく思う(または全部を嫌いになる)傾向
ある人のたった一つの目立つ特徴についての判断に、すべての資質に対する評価を一致させるよう仕向ける。「ヒトラーは犬と小さな子供が大好きだった」

・手元の情報だけを重視し、手元にないものを無視する(「自分の見たものがすべて」WYSIATI)。

・プロスペクト理論
大損を免れる一縷の望みと引き換えに、高い確率で事態を一層悪化させる選択肢を受け入れる。 計画の錯誤をはじめとする楽観主義を新たな角度から考察することが可能になった。プロジェクトの結果を予想するとき、計画の成功は特定された事象なので、イメージしやすい。これに対して失敗の形はそれこそ無限にあって、注意の対象が分散しがちである。そこで起業家や投資家は成功の確率を過大評価し、かつその判断に過大に重みづけすることになりやすい、と見ることができる。プロスペクト理論は落胆や失望を斟酌できない 低い確率に過大な重みをつける。

・損失回避 利得より損失に強く反応する

・少数の法則
少ない観察例から導き出した「事実」に対する研究者の過剰な信頼の話

・アンカリング効果
いくら寄付するかを決める場合など、お金に関する意思決定に強く現れる

・代表性ヒューリスティック
トム・Wの人物描写が提供されたとたんに、回答者は基準率を忘れる

・平均への回帰
ベテラン教官は、ランダム事象につきものの変動に因果関係を当てはめた、非常に頭のいい女性は、自分より頭の悪い男性と結婚する。
ビジョナリー・カンパニーで調査対象になった卓越した企業とぱっとしない企業との収益性と株式リターンの格差は、おおまかに言って調査期間後には縮小。
『エクセレント・カンパニー』(大前研一訳、英治出版)で取り上げられた企業の平均収益も、短期間のうちに大幅減

・後知恵バイアスや結果バイアス
人間の脳の一般的な限界として、過去における自分の理解の状態や過去に持っていた自分の意見を正確に再構築できない

・認知容易性と一貫性
矛盾や不一致がなく頭にすらすら入ってくるストーリーは受け入れやすい。だが認知が容易でつじつまが合っているからといって、真実だという保証にはならない

・可能性の効果
私たちは小さなリスクを過大視する。そして、リスクをすっかりなくせるものなら、期待値を大幅に上回る金額を払ってもよいと感じる。また、最悪の事態になる確率が九五%と一〇〇%とでは、心理的なちがいは一段と大きい。

・記憶の確証バイアス
稀な事象の確率がよく過大評価される。「勝つ可能性は九九%で、何ももらえない可能性は一%」といった明確な記述、激しい不安を伴う場合(自爆テロがさかんな時期のエルサレムのバス)、

・ピーク・エンドの法則
記憶に基づく評価は、ピーク時と終了時の苦痛の平均でほとんど決まる。
持続時間の無視──検査の持続時間は、苦痛の総量の評価にはほとんど影響をおよぼさない
記憶する自己は持続時間を無視するうえ、ピークとエンドを過大に重視し、さらに後知恵バイアスにも影響されやすい。その結果、実際の経験を歪んだ形で思い出すことになる

 

この辺りは投資をするに当たって、心の片隅に留めておきたいと思う今日この頃です。
損切り出来ない病の原因は、プロスペクト理論。
銘柄に惚れ込んでしまうのは、ハロー効果など

投資での失敗あるあるの原因に、いくつも気づくのではないでしょうか

私自身も猛省しなくてはいけない法則や効果がたくさんで、『ファスト&スロー あなたの意思はどのように決まるか? 』初めて読んだときは読んで目から鱗でした。

ファスト&スロー あなたの意思はどのように決まるか? アンカリング効果

こんにちは、ヘッタ・チャンです。
株式ディーラー推薦!成功した投資家の共通点が学べる本7冊」にて紹介した 『ファスト&スロー あなたの意思はどのように決まるか? 文庫 (上)(下)セット

今回から、この中から投資に関係するエピソードをいくつか紹介していきたいと思います。
今回の取り上げる内容は、アンカリング効果についてです

投資において、銘柄を買った値段がいくらであろうと、それが割安であれば、いつか価格は見直され、適切な株価に回帰するわけですが、買った値段によって、メンタルがどれだけ影響を受けるかということがこの効果を知ることでわかります。
逆に私の投資手法のひとつデイトレやスイング投資の場合は、プラスであるかが重要なので、どんなに割安であってもある一定のラインを越えたら損切するため、アンカリングが良くも悪くも効いてしまったりもします

重要なのはアンカリング効果が、自分の投資スタイルにどう位置づけられ、影響を与えうるかということです。
アンカリング効果は、人間誰もが持っている無意識の癖なので、強く意識して、自分がその影響下にないか確認する必要があるのです。

以下書籍より抜粋エピソード

アンカリング効果は単なる研究対象ではない。現実の世界で相当な威力を発揮しうる。
数年前に行われた実験では、本物の不動産仲介業者に、実際に売り出されている住宅の価格を見積もってもらった。彼らは物件を見に行き、売り手の提示価格などさまざまな情報が掲載された資料を入念に調べた。
しかしじつは、仲介業者の半数に見せた提示価格は正規のカタログに記載された価格よりかなり高めで、残り半数に見せた提示価格はかなり低めになっている
こうして十分な調査をした後に、自分が買う場合の妥当な価格水準と、自分が売る場合に譲歩できる最低価格を言ってもらった。

その後、判断をする際に考慮した要素は何かという質問にも答えてもらったが、売り手の提示価格を挙げた人はいなかった。
そんなものに左右されるのはプライドが許さない、というわけである。彼らは、自分たちの見積もりは提示価格に一切左右されていないと言い張った。

しかし実際には、大いに左右されていた。仲介業者のアンカリング率は四一%に達したが、この数字は、不動産知識をまったく持っていないビジネススクールの学生とさして変わらない。学生たちのアンカリング率は四八%だった。
両者のちがいは、学生たちはアンカーに影響されたことを認めたが、仲介業者は頑として認めなかったという点だけである

 

アンカリング効果は、いくら寄付するかを決める場合など、お金に関する意思決定に強く現れる。
この効果を明らかにするために、私たちは科学教育センターの見学者を対象に調査を行った。

太平洋でのタンカー原油流出事故による環境汚染を調査中だとして、「被害を食い止める方法が見つかるか、タンカーの所有者が賠償金を払うまでの当面の措置として、太平洋沿岸の海鳥五万羽を救うためにいくら寄付しますか?」という質問に答えてもらった。
これは、レベル合わせを必要とする質問であり、回答者は苦境に陥った海鳥に対する自分の気持ちに見合った寄付額を考えることになる。このとき一部の見学者には、「いくら」ではなく、
「五ドル以上寄付するつもりはありますか?」
または
「四〇〇ドル以上寄付するつもりはありますか?」
とアンカーを含む質問をした。

アンカーが提示されない場合、見学者はもともと環境問題への関心が高いこともあり、平均して六四ドル寄付すると答えている。アンカーが五ドルだと、寄付額の平均は二〇ドルになる。一方、かなり高額の四〇〇ドルがアンカーだった場合には、平均は一四三ドルに達した。
高いアンカーを示されたグループと低いアンカーのグループとの差は一二三ドル、アンカリング率は三〇%だった。これは、最初に一〇〇ドルというアンカーを提示すれば、三〇ドルの上乗せが得られることを意味する

割安投資の王道指標PERも、市況によって、割安とされる範囲が5(凍死相場)~15(加熱相場)程度ぶれるのを見てきた自分としては、あれも相対的なアンカリング効果だったと思う次第です

今回の記事がみなさんの相場の付合いの一助になれば、幸いです。

ゾーン — 相場心理学入門 過去の紹介まとめ

こんにちは、ヘッタ・チャンです。

株式ディーラー推薦!成功した投資家の共通点が学べる本7冊」にて紹介したゾーン — 相場心理学入門

過去ログを調べてみたところ、何回かに分けて、私が感銘を受けた部分をアップしていたので、再掲載したいと思います

ゾーン 相場心理学入門から役に立った言葉
 未来を予測することだけに力を入れるのではなく、起こったことに対して正しいアプローチを行うことの重要さについての抜粋

最高のトレーダーとリスクとリスク許容度
リスクを取る(=ポジションを取ってリターンを狙う)ことをしながら、リスクを避ける(=ポジションをとらない、損を出さない)という事を狙っていた昔の自分にポイズンでした

プロのトレーダーとその他大勢を分けているもの → 無心
恐れが自分の潜在能力を断続的にそいでいくのである。いつもと同じ事をしていればと後悔するたびに思い出す一説です。

エリートや成功者がディーラーで成功するとは限らない
 エリートや成功者は周囲を自分の意のままにするのにはなれているがゆえに、投資の世界では、その栄光や成功体験が害になりうるという逆説的なお話。

確率的思考法とその瞬間のディーリング
そのときの優位性と今回の優位性がまったく同じになる可能性がある。しかし、そのときのマーケットと今回のマーケットの展開は、けっして同じではない、結局この部分との付合い方がイベント投資のキモだと思うのです。

ゾーンまとめ 目指すべき最終形体について
 一貫した勝者であるための7つの要件、ビジネス書のタイトルみたいですが(笑)重要な価値観の抜粋してます。
*なお、ゾーン — 相場心理学入門は現在amazonキンドルアンリミテッドで無料で読めます。

みなさんの相場の付合いの一助になれば、幸いです。

投資の教科書にオススメ本を7冊紹介しました

こんにちは、ヘッタ・チャンです。

投資の教科書というサイトに、「株式ディーラー推薦!成功した投資家の共通点が学べる本7冊」という文章を寄稿しました。

お時間あるときにでも読んでみてください

時間をつくって、今後はこの本のこの内容がよかったなどを紹介していく予定です。

気長にお待ちください~

会社員をしつつ、株で元手40万から月250万ちょい稼いでいる件

こんにちは、ヘッタ・チャンです。

最近出版された某機関投資家で働く会社員でありながら、人気ブログ「The Goal」を運営されているまつ のすけ氏の「会社員をしつつ、株で元手40万から月250万ちょい稼いでいる件」を読んだのですが
イベント投資や市場の歪みについて非常にコンパクトかつ丁寧にまとめられていて、良書だったので、ここに紹介します

目次は以下の通りなのですが

第1章 ちょっとアウトローでヤンチャな「イベント投資」
第2章 依然として有効! 「東証一部昇格」狙いの中期投資
第3章 ほぼ必勝! 「株主優待先回り」で絶対リターン
第4章 「IPOプライマリー・セカンダリー」でゴリゴリ儲ける
第5章 たった2ヶ月で爆益! 「TOB」狙い投資
第6章 日はまた昇る! 「不祥事株」の復活で驚異的に稼ぐ
第7章 価格に歪みが残っている「中小型株」は宝の山
第8章 基本は順張り 暴落は逆張り! 「二刀流」で手堅く稼ぐ
第9章 「ロング・ショート戦略」でストレスフリーに常勝
第10章「売買シミュレーション&データ収集」で神速投資
第11章 最新の「行動経済学」で負けグセを治す!
おまけ スワップ狙いの「FX両建て」で低リスクに高利回り

一つの案件毎に、著者自身がしっかりデータを基に裏付けを取っていて大変参考になります。
私がやっている方法も多く、改めて学び直せる、気付きが多かったです。

相場が暴落してもやられづらい方法、勝てる方法も載っており、オススメの一冊です。

会社員をしつつ、株で元手40万から月250万ちょい稼いでいる件

追伸 どうせなら、サイト「The Goal」運営で稼いでる方の内容も知りたかったです笑

【連載アーカイブ】負けない投資家の思考法 日経マネー 2013年 6月号 TOB価格訴訟②

こんにちは、ヘッタチャンです、

過去連載(日経マネー許諾済)「負けない投資家の思考法」の6回目アーカイブのサブ記事とその後の結果をアップです。
2012年にTOBで上場廃止になった東宝不動産へのTOB価格訴訟の結果は?

その前に、それまでのTOB価格訴訟ではどういった結果だったかをサブ記事で紹介していますのでご覧ください

以下、当時の記事より

今回取り上げた東宝不動産以外にも過去いくつかの同様の案件がありました。

tob

訴訟の一連の流れについても補足として書いてみます。
裁判の参加には株主総会までに株主であることが必要です。そして、株主として、議決権行使に対して、反対をする必要があります。
そして、この後は自分で株主総会に参加して反対をするか、先ほど議決講師で反対をした上で欠席するかのどちらかです。

次に気になる弁護士費用についてですが。これは交渉次第ですが、一般的に着手金は経費、成功報酬十数%という条件が多いです。
依頼された弁護士は対象企業の価値を算定して、TOB価格より高い理由を訴えると言う形になります。

公開買付に応じなかった株主は争いなしとして、株主総会後にTOB価格で強制取得されますが。この価格を争う裁判をするわけです。
過去の案件では、地裁は敗訴、高裁で逆転ということもあり、終わるまで資金を固定されるのがネックですのでその辺にもご注意を

抜粋ここまで

といった手続きを経て、裁判に挑んだのですが結果は最終的には、残念ながら棄却という結果でした。

しかも地裁では一部訴えが認められ、TOB価格を100円引き上げる判決がでたものの、
続く、高裁では、手続きが公正だという理由で、地裁決定の835円を取り消し、735円とする判決となり、最高裁で高裁の判決が確定し、抗告が棄却

結果的に敗訴、また前回記事に書いた年6%の金利についても、東宝不動産が裁判中に735円分について先に支払う対抗策をとったため不発となり、目論見が外れました。
(その後、法律が変わり、支払われない方向に改正されました。)

この辺の流れは以下のリンクを参照ください。
しかし、最高裁の棄却結果とかネットで本当に出てこなかったです、なにかグーグル対策してる気が。。。(私の探し方が下手なのもありますが)

2015/3 東宝不動産の株価100円引き上げる決定、東京地裁、市場株価を重視 – 法と経済のジャーナル Asahi Judiciary

2016/3 東宝不動産、地裁決定の835円取消、735円とする決定 証券非行被害者救済ボランティアのブログ

2017/2 東宝不動産事件高裁決定許可抗告審、株主側抗告棄却 「判例研究 一般に公正と認められる手続による公開買付け後に行われた全部取得条項付種類株式の取得価格」より

その後、TOBで価格訴訟が下火になると今度は、ソレキアで起きたような対抗公開買付になるのですが、これはまた別のお話、機会があれば書いてみます。

ケインズの「雇用・利子および貨幣の一般理論」が10円で読める!!

こんにちは、ヘッタ・チャンです。

自分は最近ほとんどの書籍を電子書籍(Kindle)で読んでいるのですが、たまにお値打ちすぎる価格で書籍が買えることがあります。

普段はわざわざ紹介したりしないのですが、今回のキャンペーンは今までの中でもお値打ち度が高すぎるのでシェアしてみました。

なんと名著が10円で読めます。

雇用・利子および貨幣の一般理論 ─まんがで読破─ Kindle版

これが10円で読めるとか!と 速攻でポチってしました!

なお、マンガで読破シリーズの「君主論」、「戦争論」、「罪と罰」、「死に至る病」といった歴史的名著も10円です。

このキャンペーンがいつまでかわかりませんがお気づきの方お早めに~

【連載アーカイブ】負けない投資家の思考法 日経マネー 2013年 3月号 敵を知り、己を知れば百戦危うからず

こんにちは、ヘッタチャンです、

過去連載(日経マネー許諾済)「負けない投資家の思考法」の5回目アーカイブです。
当時は、勝てるときに徹底的に勝てと書いたくせに、ここ最近は惰性でトレードをしてしまったのが悔やまれます。

また最近の記事ですが、バフェットの投資法もここ数年成績が芳しくないなど、投資の世界の変遷も速度を速めている気がします。

バフェット流運用の受難 2018/8/25  日本経済新聞朝刊

当時はバフェットはやり方を変えませんでしたが、今はバフェットが投資法を変えていること。
バリュー投資の受難の時代がこんなに続くとは思いませんでした。
過去記事を検証しながら紹介するのも面白いものです。

さて、当時の記事は以下の通りです。

今回はみなさん聞きなれているであろう諺「敵を知り、己を知れば百戦危うからず」から負けない投資家について考えてみたいと思います。

さて、投資家にとって、敵とはなんでしょう。まず一つは「負けない投資家」の反対「負ける投資家」です。彼らの負け方を知ることは、「人の振り見て我が振り直せ」という諺にあるように、とても有意義なことです。

・気持ちが熱くなってしまい、冷静な判断が出来なくなって損失拡大。
・上手くいきはじめるとポジションをすぐ大きな勝負を始めてしまう
・勝ったら、成果を誰かに吹聴するけれど、負けた話は全然しない
・自分の立てたストーリー以外受け入れない
・相場にお願いするようになる

…と、少し思い浮かべるだけでいくらでも出てきます。こういった負けパターンを知っておく事は重要です

さて、実は負けない投資家を目指すのであれば、もう一つ敵として知っておくべき存在がいます。それは自分より利益を出している投資家そう「もっと負けてない投資家」です。

投資をする目的は、将来の目標額達成だったり、インフレに負けない運用だったり、とりあえず増えればいいだったりと色々ありますが、それは他人と比べてやるものではありません。ですが、自分よりも「負けないことが上手い投資家」がいるのであれば、それはなぜなのか、知っておくことはとても重要です。

というのは、自分が上手く行っていると思っても、それが実は最善手ではない可能性があるからです。

とある投資法で資産を一年で二倍にし、満足している投資家がいるとします。でも、そのやり方にもう一つ二つ手を加えていたら資産は二倍どころか十倍なっていたのにといったケースはままあります。

私の話で恐縮ですが、ある時、私は某企業が公開買付(TOB)を予定しているという情報を当の企業が出しているのに気付きました。当時の私は少しだけその銘柄を買って、1.5倍にくらいにして満足していました。 ところがその情報を伝えた知人投資家はその情報を基に徹底的に調べて投資妙味ありと確信して、その銘柄に全力投資をして、大金をつかんでいました。 その情報の価値に気付かなかった私は、資産増やす機会を上手く活かせなかったのです。

投資に限らず、なんでもそうですが、勝てる時には徹底的に勝ち、負ける時は被害を最小限することを多くの人はしようしません。自分の枠の中の勝ちラインを超えてしまうとそれ以上を追わない。ある意味でそれはとても謙虚なことかもしれませんが、こと投資の世界においてはそれは悪弊です。諺でいうと「水に落ちた犬は打て」です。

とはいえ、もっと負けてない投資家にも色々なタイプがいます。ある一定の相場にはめっぽう強いけれど、ほかの相場にはとても弱い投資家もいれば、いつも一番ではないけれど、どんな相場でも負けない投資家もいます。

かのウォーレン・バフェットもITバブル全盛時には運用成績が振るわず、バフェットは終わったとまでいわれましたが、ご存じの通りそのすぐ後ITバブルは崩壊、バフェットの一徹なまでのヴァリュー投資の長期での有用性が証明されました。
つまり、もっと負けてない投資家にも「まぐれ投資家」と「本当にもっと負けてない投資家」が存在するので、自分のやり方に近い方法でもっと負けていない投資家を知ることが一番だということです。ここでまぐれ投資家のやり方を真似てしまうと目も当てられません。

負けない投資家であり続けるためには、常に自分の手法をアップデートする必要があるか、そのやり方は正しいかも考えるべきだというお話しでした。本日はこの辺で

抜粋ここまで

【連載アーカイブ】負けない投資家の思考法 日経マネー 2012年 12月号 負けない投資家の時間軸は?

こんにちは、ヘッタチャンです、

過去連載(日経マネー許諾済)「負けない投資家の思考法」の4回目アーカイブです。

負けない投資家の時間軸というタイトルで、当時持て囃されていた某ファンドについて、疑義を申し立てた記事を書こうとしたのですが、そこは没にされた思い出のある記事です。

この記事を書くに当たって、当時から今までの成績を確認したところ、某ファンドは日経平均とほぼ同じパフォーマンスでした。
チャート画像

結果については、あれこれ言いませんが、これなら日経平均買って気絶してても変わらなかったとかだけ。

個人でしっかり学んでいた方はこれ以上の数字を出された方も多いことでしょう。
自分で運用するか、アクティブファンドに預けるか、はたまた別の手を取るか、投資法は無限ですね。

さて前置きが長くなってしまいましたが、当時の連載は以下の通りです

今回は負けない投資家の時間軸について書いてみます。
投資を何百回も行えば、百戦百勝も、全戦全敗も確率的にありえません。
(インサイダーや詐欺を除く)

しかし勝率が高いというのも、実はあまり意味がありません。9割で勝っても残り1割で全資産を失う負け方をすることは、ままあることです。

私が思う「負けない投資家」は長期間、資産を増やし続ける投資家です。

では、その「長期間」をどうとらえるか、少し考えてみましょう。投資に回した資産は日々予想以上に大きく増減します。一夜で倍になることもあれば、紙くずになることもあります。

理想は毎日資産が増え続けるというもの、これが文句なくベストです。次に日々増減はするけれど、月ベースで増え続ける。これもなかなかです。次に毎年増え続けるケース。一年間で冷や冷やすることはあったけれどトータルでは年の初めより資産が増えていた。これも安心です。

で、次あたりから、ちょっと怪しくなります、数年単位でマイナスもあったけれど、まあ最終的には増えていたという形。この辺になると、タイミング次第ではマイナスになってることがあります。投資手法にもよりますが定年近くで連続してマイナスの年が続くと資産が大きく減ったところで生活費を引き出す必要に迫られ、これならずっと貯金してた方が良かったとなっては目も当てられません。

資産が大きく減ることは、人生の可能性が大きく制限されることです。何年もマイナスが続く投資法でいつか勝つかもという発想はナンセンスです。
最近まで、そういったリスクを避けつつ、長期運用の果実だけを得る方法として積立投資という名のナンピン投資法がありました

これは、一定の決まった期間ごとに一定の金額を買い増していくもので、下げ相場が続いても、どこかで上げ相場が来れば、買い下がった分、平均単価が下がるため、利益になりやすく、長い時間軸では合理的なものでした。ただ、上げ相場がいつかきてくれればという条件の中では、ですが。

日本を除く、世界経済はリーマンショックまで一時的な下げはあっても、ずっと右肩上がりだったので、毎月積立投資は良い成績でした。
ところがリーマンショック以降、日本だけでなく、欧州一部諸国や、中国などでは数年立ってもほとんど上げ相場が来ないという状況に陥りました。一時は6000を超えていた上海総合指数は、ずっと下げ続け、ついには2000を割る有様です。中国株を毎月積立てで買っている人たちは、ナンピンで損を拡大し続けています。

常識だった右方上がりの世界経済の限界。私はこれが地価は下がらないと信じた日本と重なります。当時一時的な下げと思われた土地の下落は20年たっても底入れの兆しすら見せません。世界経済がまた右肩上がりの成長に戻るか、私にはわかりませんが、負けない投資家になりたいなら、ナンピンに頼らず長期で資産が増え続ける方法を模索し続けるべきでしょう。

決して孫の代に資産が増えていればご機嫌などと考え、ナンピンで資産を塩漬けにしてはいけないのです。

抜粋ここまで

結果は、ご機嫌にナンピンした方が数年間の上がり相場で全部勝てちゃった相場になりまして、賢しげに忠告した私の方が、慎重に行きすぎて利益を取り損ねたというオチがあります(爆
相場はこういった所が面白いですね(負け惜しみ)

【連載アーカイブ】負けない投資家の思考法 日経マネー 2012年 09月号 「科学する麻雀」から株式投資家が学んだこと

こんにちは、ヘッタチャンです、

過去連載(日経マネー許諾済)「負けない投資家の思考法」の3回目アーカイブです。

たまに投資家さんとマージャンを打つことがありますが、凄腕の投資家さんはマージャンが強い方が多いです。
投資とマージャンの共通点とは?

以下連載をお読みください。

「科学する麻雀」から株式投資家が学んだこと

今回は、株式取引で負けないための考えの一部を紹介します。

ここ数年で、負けないためにかなり参考になったのは、麻雀で負けないためにどうすべきかを検証した『科学する麻雀』 (とつげき東北・著、講談社現代新書)」という本です。

*ここ最近新版が出たので、こちらを紹介します

やったことのない方に簡単に説明すると、麻雀とは、4人で各自14枚の牌を集めて得点を競うゲームで、集めるのが難しい組み合わせ(役)ほど得点が高くなります。ポイントは、他の3人には良い牌が集まらないようにしつつ、自分は集めなくてはいけない点で、ここに熱い駆け引きがあります。

麻雀には、格言めいたものがいくつもあります。「ピンフのみはダマ」「裏スジは危険」等、一家言お持ちの方も多いでしょう。

『科学する麻雀』では、そのような格言が実際役立つか統計を取ってみたら、ほとんどが役に立たないことを実証。それよりも、統計的に正しいことを淡々とやった方が勝率がよくなるという身も蓋もない結論を得ています。
この結論の中に、株式取引にも使える内容があったのです。それは「当たり牌を読むな、降りるならベタオリ」です。

麻雀は勝つことよりも、自分が負けないことが大事なゲームです。だから相手がリーチ(あと一牌で上がり宣言)したら、残り一枚が何かを予想し、それを振り込まないようにしつつ、自分の牌を集めていくのが常識でした。

ところが『科学する麻雀』では、リーチされたら、その回は自分が勝つのを諦め、負けないことだけに専念。確実な安全牌だけを捨てていき、それがなくなったら統計的に安全な牌を捨てるべきという提言をしています。

これを相場に置き換えると、ポジションが不利な状況になったら、挽回しようとナンピンしたり、板の状況から戻るタイミングを計るとか余計なことをしないで即損切りするということです。
以前の自分は全てのトレードでなるべく利益が出てほしいと思っていたので、少々の不利な状況では戻りを期待して我慢していたのですが、そんなやせ我慢を一切止めて、ちょっとでも不利になってきたら撤退するようにしました。

その結果どうなったか?勝率がメチャクチャ上がりました。自分は一日70〜100銘柄に注文を出し、内50〜70銘柄が約定するような取引をしています。不利なら即損切の方針に切り替えたら、利益銘柄と損銘柄の比率は2:1から3:1と格段に良くなりました。

麻雀と株式取引の共通点は、相手がおり、一回の勝負では決まらないということです。何回も同じ相手と勝負をするゲームでは、数をこなすとトータルで自然と勝てるような戦略を愚直に実行することが大切です。役満(最強の手)で一度勝っても、その後に負け続けては意味がありません。一度役満に振り込んでも、じわじわと取り返せるやり方こそ、負けない投資家に必要なのです。

じわじわと取り返せるやり方としては今号特集の株主優待、配当狙いの投資があるのですが、それはまたの機会にでも。

抜粋ここまで

当時はマージャンを統計的に分析する書籍は少なかったですが、ここ数年でたくさんの本が出ています。
せっかくなので、以下に紹介です。

3100万局の牌譜データを東大卒の麻雀研究者が徹底分析!
「統計学」のマージャン戦術 (近代麻雀戦術シリーズ)

高レート麻雀のプロと麻雀研究家が合作。理論と実践の新戦術の数々がわかる!
フリー麻雀でもネット麻雀でも使える 現代麻雀最新セオリー

麻雀を勉強すると相場でも強くなれるなんて、一石二鳥ですね。
ぜひ読んでみてください。

追伸 誰か麻雀誘ってくださいませ by 無職